ツーリングトーク バイク談義

オフロードバイクの整備とツーリングキャンプのノウハウ

北海道ツーリングとシエラデザインシリウス2

北海道ツーリングとシエラデザインシリウス2

3週間の北海道の旅

3週間の北海道の旅

3週間もテント泊を重ねるツーリングをしていると、使っているテントの良い箇所も悪い箇所も全て分かってきます。テントの制作者の意図もおおよそ分かってきます。雨に弱い、耐風性に劣る、などの欠点はありますがこれらは対処できることが分かりました。

むしろ、全面メッシュテントならではの通気性による防暑の効果のおかげで8月の暑い季節の夜をしのげました。
また、2人用のテントを1人で使うことで生まれる快適な居住空間が、3週間のテント泊をストレスのないものにしてくれました。
ツーリングテントに要求される第一の条件は設営の簡単さと思っていますが、設営の簡単なシリウス2を使うことで、改めてその重要性が分かりました。

シリウス2とツーリングドーム、重さの違い

荷物のパッキングをするまではコールマンのツーリングドームを持ってゆくつもりだったのですが、ツーリングドームを持った時のあまりの重さに驚き、急遽シリウス2に変更しました。

甲信ツーリングでシリウス2を使ってみて、このテントは雨に弱く、風に弱いと言うことが分かっていました。構造的なものなので、当初は対処のしようがない様に思えました。
雨風に弱いテントを3週間の長期ツーリングに使うのは躊躇します。
そのため、当初は雨には強そうに思えた、コールマンのツーリングドームを使おうと思ったのです。

シリウス2の重さは約2kg、ツーリングドームの重さは約4kgです。テントの重さが2kgも違うのは、オートバイを操るライディングにおいて、決定的な差を生みます。
シリウス2を持ってゆくのは不安がありましたが、ライディングの軽快性には代えられませんので、持ってゆくことにしました。

暑さ知らずの快適テント

暑さ知らずの快適テント

北方の北海道といえども、夏は暑くなります。最高気温が30℃を毎日越えていました。

夜間は気温が下がるので、関東ほど寝苦しい夜にはなりませんが、それも程度の問題で、通気性の少ない、例えば登山用のテントなどを使っていると、テントの中にいる人間の熱がこもって暑苦しくなります。

テントの生地が、底と入口を除いて、全面メッシュのシリウス2は通気性が抜群なので、北海道の夏の夜の気温なら、まず暑さというものは知らずに過ごせます。
防暑では実に快適なテントです。

荷物の置き方

荷物の置き方

シリウス2の前室は、前後2箇所にあるのですが、大変に狭いものです。
ソロ用のテントでツーリングをする場合、室内が狭いので、荷物の一部は防水バッグに入れて前室に置くのですが、前室が狭いのでそれは出来ません。

シリウス2の室内は2人がシュラフ寝られる上に、荷物も置けるほどの広さがあります。
このため、シリウス2では、全ての荷物をテントの中に収納することが出来ます。
これはとても安心感があります。

雨天とタープ

雨天とタープ

シリウス2は、フライをテントにかぶせていますが、前後に2つある出入り口は、利便性と通気性を考えて、フライが掛からない様になっています。
このため、雨が降ると、直接、テント(出入り口の部分)にかかる事になります。

通常の雨でしたら問題は無いのですが、丸一日降り込められる様な天候の場合、表面張力のためか、テントの内部に出入り口入口から水がしみ出してきます。

また、出入り口にはフライが掛かっていないので、雨が降っている中でテントから出入りをすると、雨がテントの中に降り込んできます。

これらはタープを使うことで防げることに気がつきました。もっともタープを使えばそれだけ重くなり、シリウス2の軽いことと設営の簡単なことというメリットが損なわれるのは確かです。

耐風性

耐風性

知床にある羅臼野営場でテントを張った時のこと。
熊の湯で一風呂を浴びて食事を終えた頃、突然、強風が吹き始めました。
登山ではこの程度の風は珍しくはないのですが、ツーリングでは滅多にありません。風速は15mほど。突風では20mを越えていたと思います。

風向きは北北西、幸いテントは北向きに張ってあったので、風でフライがあおられると言うことはなかったのですが、徐々に風力が強くなるに従い、テントを支えているポールがたわむ様になりました。

最初はテントの室内から手で支えていたのですが、あまりに風圧が強いのでテントを撤収して移動することにしました。
このとき、周りのテントのうち、2張りは倒壊していました。(写真の右奥の黄色いテント)

ドームテントに耐風性を持たせるには、テントからロープを出してペグを打つのが一般的なのですが、このときはそれをしませんでした。もっとも、付属のペグが8本しかないので、テントの四隅とフライに計8本を使うので、更に4本のロープを固定するには、ペグの数が足りないので、出来ませんでした。

先に、シリウス2はタープを使うことで雨天を快適に過ごせると書きましたが、タープは強風に対しては脆いです。
シリウス2の構造と合わせて、強風下での使用はあまり得意のテントでは無いようです。
強風が吹く様な日には、風が避けられる樹林帯の中のキャンプ場にテントを張るか、とほ宿などに避難するのが良さそうです。