日本各地を旅していると、色々な野生の動物に出会うことができます。とくにわたしは山岳路や林道を走ることが多いので、より多く出会えるのかもしれません。
ここではツーリング中に出会った野生動物たちの生態や、実際に出会った時のエピソードを紹介します。
更新日:2008/02/03
実際にヒグマに出会うまでは、会いたくないと思いつつも、頭の隅ではせっかく北海道にきたのだから、話の種にヒグマと出会うのも悪くはないな、と思っていたのも事実です。
とくに林道を中心に走り回っていたので、出会う確率は高いはずだと思っていました。
ヒグマと出会ったのは1999年の夏です。出会った場所は道北の有名な観光地で、観光ガイドには必ず掲載されているところです。
地元の観光に支障が出る可能性があるので、詳細な地名は伏せます。
時刻は午後6時前後、8月なので日没の時間です。雨が降っていたので時間よりも薄暗くなっていました。有名な観光地に隣接する野営場で野営をしようと考えていました。
野営場に到着し、バイクに乗りながら「東屋でも有れば雨を気にせずにテントを張れるのに」と野営場内を物色してからふと前を見ると、ヒグマがいました。
距離はこの時は50mくらいは離れていたと思ったのですが、顔の輪郭や細かい特徴まではっきりと覚えている所を見ると、もっと近かったようです。
わたしも驚いたのですが、ヒグマも驚いたようで、すっくと立ち上がりました。体長は2m前後でした。驚いたもの同士がしばらくの間、身動きもせず見合っていました。
先に我に返ったのがわたしの方で、ここで襲われたら食べられてしまうという恐怖から、何とかバイクの向きを変えようと必死になりました。しかし狭い道の上、運の悪いことに道路脇には側溝が掘られていたので落ちそうになり、何度も切り返しをしますがなかなかUターンができません。
しかし、こちらがUターンを終える前に、ヒグマも我に返ったらしく、反対の方向に走り去って行きました。
ここまでの記憶ははっきりしているのですが、それ以後は滝上村にたどり着くまでほとんどありません。気が付いたら滝上村の中心部を走っていました。
掲載した画像は阿寒湖ミュージアムに展示されているヒグマの剥製で、体長は2mです。
わたしの出会ったヒグマは、この剥製より上半身はもう少しほっそりしていましたが、全体的にがっしりしていました。朝からの雨で体毛が濡れて体に張り付いていたので、細りと見えてたのかもしれません。
耳はもう少し大きく、顔の先端、鼻から口にかけては狐のようにとがっていました。
更新日:2003/09/08
沖縄から奄美大島へ向かう途中でイルカの大群を見かけました。
海と比べるとイルカは小さすぎて、写真では判別できないのが残念です。
イルカは潜ったり飛び跳ねたりして、どこまでも船の跡を付いてきました。
更新日:2006/11/23
北海道のオオワシといえば冬の渡り鳥として有名ですが、雪解けの季節の4月上旬頃までオホーツクの海岸線でみることが出来ます。
世界遺産になった知床の冬を紹介するときによくオオワシの飛んでいる姿が紹介されたり、国の特別天然記念物に指定されているので、滅多にみることが出来ない鳥と思われがちですが、オホーツク海の海岸線ではよく見かける鳥です。
写真はサロマ湖の西側を流れる湧別川の河口にかかる橋の上で、翼を休めているオオワシです。人をおそれないらしく、5mほどまで近づいてものんびりとあたりを眺めていました。
更新日:2006/04/10
北海道のオジロワシは冬の渡り鳥です。オオワシと同じく海岸線で多く見かけますが、内陸にも飛んできます。オホーツク海の海岸線から内陸に40kmほど入った紋別郡の滝上町でも見ることが出来ます。
名前の通りに尾羽が白いのが特徴ですが、体の色が鳶とよく似ているので、見間違いやすいです。
更新日:2003/10/09
高知県にほど近い徳島の山の中で出会ったカモシカです。
林道の上の崖に2頭いたのですが、最初は月の輪クマかと思いました。
というのも短く太い首、がっしりとした胴体と足をみて、「おっ!!四国で絶滅したと言われている月の輪クマを発見したぞ!!」と、思わず喜んでシャッターを切りました。
しかし、よく見るとカモシカだったのでがっかりです。
更新日:2005/10/31
日本中のシーサイドラインを走るとおなじみとなるのが、カモメとウミネコです。素人のわたしにはいまだに区別は付きません。相手が鳥なので、近づくと飛んでしまうから容易に写真に納めることができないでいました。
稚内の鳥はのどかなのか、海の上で安心をしているのかは分かりませんが、近づいてものんびりと海に浮かんでいました。
更新日:2003/09/09
十勝川河口の昆布刈岩の海岸線で見かけたキタキツネです。
人里やその近くに住んでいるキタキツネは、人間になれていています。写真のキタキツネも漁村のそばに住んでいるので、人になれているのでしょう、逃げるそぶりはしませんでした。
写真を撮るときにポケットに手を入れたときだけ、拳銃でも出すのかと思ったのか(?)、びくっと動いて向こうにむきました。
人里に住んでいるキタキツネは度胸も据わっています。
室蘭市の地球岬には沢山のキタキツネがえさをねだりにたむろしています。
以前、日没頃に支笏湖湖畔の美笛キャンプ場へ向かったのですが、途中の道道78には多数のキタキツネが寝ころんでいて、バイクが通るのに避けようともしませんでした。クラクションを鳴らしても、エンジンを空ぶかししても効果無し。
しかたがないので、わたしの方がスラロームのパイロンの様にキタキツネを避けながら走りました。
更新日:2006/04/10
網走湖の未氷結のところに、アザラシがのんびりとひなたぼっこをしています。司馬遼太郎さんが「街道を行く オホーツク街道」で書いている風景が、そのままという感じがします。
アザラシは3月下旬までいますので、海岸線の道路の雪が融けてオートバイで走れる季節とわずかに重なります。
更新日:2006/11/23
タヌキは里山に多く住んでいるので、ツーリング中に見かけることは多いの動物です。しかし臆病なのでなかなか写真を撮ることはできません。
掲載した写真は白神ラインの入り口で野営をしたとき、たまたま遊びに来ていた子ダヌキです。子供だったからか、夜間だったからか警戒心が薄く、しばらくの間テントの周りを歩き回っていました。
更新日:2003/09/30
初めてツキノワクマと出会ったのが十数年前の奥日光のとある渓流。友達と釣りをしていたときにばったりと出会いました。
最初に出会ったのは友人の方で、わたしはクマの存在に気づかずに、茂みを間に挟んでクマと一緒に釣りをしていたと、後で友人が言っていました。
真っ青な顔をした友人が「クマ、クマ」と、とぎれとぎれに茂みの方を指さすので見てみると、なるほど真っ黒なツキノワクマがいて、ちょうど川に飛び込んだ所でした。
このときから10年余り、再びツキノワクマと出会ったのは群馬県の万沢林道でした。
万沢林道の峠の東側で突然クマが飛び出してきて前を横切りました。危うく衝突しそうな近さで、急ブレーキをかけてぶつかるのを逃れました。
その後、1年近く、万沢林道は怖くて走りに行けませんでした。
クマ避けに良く、鈴やラジオが効果的と言われていますが、ブイブイ音を立てて走っているバイクの前に飛び出すこともあるのですから、音を立てればクマはでないと言うことはないようです。
更新日:2004/06/26
ニホンザルには良く出会いますが、なかなかすばしこくて撮影することが出来ないでいました。
たまたま県道沿いで見つけたニホンザルは、人慣れしているのか逃げることなく撮影することが出来ました。
栃木県の日光などでは猿が里まで下りてきて問題を引き起こしていますが、わたしが出会う林道での猿は人慣れなどしていないので、ライダーが通ると素早く姿を隠してしまいます。
更新日:2006/04/10
北海道の道東地方にある釧路湿原では、通年、丹頂鶴を見ることが出来ます。特に鶴居村ではえづけもしているので、国道や道道の脇の牧場や畑などでえさを食べている風景をよく見かけます。
ただ、子育てをしている丹頂鶴はわたしもこのとき見るのが初めてでした。
バイクに驚いて親鳥の2羽は飛び立ち、ひな鳥は茂みの中に隠れました。親鳥は逃げたのかと思ってみていたら、わたしの周りをくるくると廻っていました。子を思う親の気持ちなんですね。
更新日:2005/10/31
函館の五稜郭の堀をのどかに泳いでいたスッポンです。鍋で有名ですが、野生のスッポンはのどかに泳いでいます。
野生の亀は他にも、九州をツーリング中に道路をのんびりと横断していた銭亀に出会ったこともあります。車が来たら踏みつぶされそうな気もしましたが、交通量が全くない道なのを承知しているそぶりでした。
更新日:2003/09/09
北海道を旅して最もよく見かける野生動物はキタキツネとエゾジカでしょう。
この動物たちは深い山に分け入らなくても、郊外の里山や国道、道道でもよく見かけるし、時にバイクや車の前に飛び出してきて運転者をあわてさせることもあります。
ここで紹介するのは知床半島のエゾジカです。
ご存じのように知床半島は半島全体が国立公園に指定されているので、エゾジカが狩猟の対象とはならないからでしょう、実にのんびりとしています。人間を見ても、すぐ脇をクルマやバイクがけたたましい音を立てて走りすぎても、草を食べていました。
わたし自身、1mほどの距離に近づいてみたのですが、そのときは2,3歩だけ前に進んで、一応一定の距離を保っていました。
人間に対する警戒心が無いのはこのエゾジカだけではなく、同じ知床半島の相泊や岬町で見かけたエゾジカも実にのんびりとしたものでした。
H.N.うーたん(Yuichi Mizunuma)
当サイトの執筆・撮影とシステムの製作等全てを行っています。林道への案内板やクライミングトークのWebMasterでもあります。使用バイクのジェベルXCは1997年型、2002年型と乗り継ぎ、三台目の2004年型のジェベルXCを売却して、現在はバイクツーリングには行っていません。、これまでのツーリングの総走行距離は約21万kmです。
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2013年まで、春夏秋冬、北海道から九州沖縄まで、ツーリング・登山・サイクリング・パドリング(カヤック)をしています。年間のテント泊数は40泊から60泊程度、日帰りを含めると年間80日くらいはアウトドアにいました。
現在は東京都八王子市高尾に在住しています。オートバイから少し離れていて、主に登山とサイクリングを趣味にしています。
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