北海道の春は本州よりも遅く来ますが、特に寒冷な気候の道北地方、道東地方は春の訪れは遅く、桜の花が咲くのが5月中旬です。3月は冬、4月も寒波が来ると冬に逆戻り、5月でようやく春らしくなるのが北海道です。この季節のツーリングには冬期の装備が必要でしょう。
3月中旬までは、街中の車道や歩道には雪が残っていて、年によっては4月に入っても数日大雪が降って数十センチの積雪となる事もあります。
街中や平野や盆地の標高の低いところの雪は3月いっぱいでおおよそ融けますが、標高の高い峠などでは4月中旬まで路肩に雪が残っています。峠の朝夕はもちろん氷点下で路面も凍ります。
5月下旬、桜の花が散りかけているときに20cmを越える積雪のある年もあります。
気温は低く、3月から4月にかけての1日の最低気温は大抵は氷点下です。5月に入っても早朝には氷点下にまで下がることも珍しくありません。
この写真は2006/3/31、オホーツク海の街、紋別市から旭川市に伸びる国道273号線(渚滑国道)沿いの滝上町の様子です。
3月に入ると、道央の札幌市や道南の函館市は春らしい暖かな陽気の日が多くなりますが、より寒冷な旭川市から稚内市にかけての道北地方や、北見市から根室市、釧路市、帯広市にかけての道東地方は、まだまだ冬の季節です。
寒い道北地方、道東地方でも3月中旬には平野部の雪が融けていることが多いのですが、一日二日、冬に逆戻りの日が出てきます。冬に戻ると、一日で30cmの降雪があります。これ程の雪が路上に積もってしまうと、オートバイでは走れなくなります。速やかに除雪がされることと、日中の気温はプラスで暖かいと言うことで、数日で路上の雪は解けて、オートバイでも走れる様になります。
北海道に住んでいた頃、3月に入るとツーリングライダーをちらほらと見かけましたが、もし、北海道ツーリングをするなら、完全な冬装備が必要です。気温も氷点下10℃くらいまでは、当たり前に下がります。
この写真は2007/4/21の道東地方オホーツク海沿岸の斜里町の濤沸湖と湖越しに見た斜里岳です。
斜里岳はまだタップリとした雪に覆われいます。手前の濤沸湖には冬の渡り鳥のハクチョウが丸くなっているのが見えます。4月に入ると北海道の平野部の雪は解けて無くなりますが、少し山沿いに入るとまだ冬の景色です。
雪が解けたと言っても海岸線や平野部は冬枯れでの景色が広がっています。気温は日中はプラスになりますが朝晩は氷点下に下がることがしばしばです。
雪が解けたと安心をしていると、吹雪くことがあります。
4月から5月上旬にかけて北海道を旅するなら、海岸線がお薦めです。海沿いの道は全道的に凍結の恐れはほとんどなく、オートバイでも安心して走ることが出来ます。ただ、地方と地方を結ぶ国道や道道の峠越え区間は、朝夕は凍結している場合が多く、ルーティングは慎重に行う必要があります。
ジャケットなどの服装やシュラフなどのキャンプ用品は、冬装備で無いと、厳しいでしょう。
写真は2007/5/6のオホーツク海沿岸の網走市の網走湖呼人岬のミズバショウが咲き乱れる原生花園です。
ゴールデンウィークのこの時期、本州では尾瀬湿原のミズバショウが満開となって多くのハイカーが訪れますが、ほぼ同じ時期にオホーツク海の沿岸の街でもミズバショウが咲き始めます。
標高0mの網走市呼人岬は、標高1500mの尾瀬とほぼ同じ気候と言うことがわかります。
ゴールデンウィークの頃には、函館市から札幌市にかけての道南道東の平野部には春が訪れます。桜が咲き、主要な国道、道道にはもう雪は無く、朝晩を除けば凍結の恐れも無くなります。
稚内市から旭川市にかけての道北や、北見市から根室市、釧路市、帯広市にかけての道東地方では、春の訪れは5月中旬頃となり、桜の花もその頃に咲きます。
雪の降ることは滅多にありませんが、平野部では雨でも山間部では雪となっていることがあるので、峠越えをルートに選んだときには、朝夕に通過しない様な配慮が必要です。
道北道東地方でも、5月中旬となると、平野部に雪が降ることは希です。
パラパラと降ることはあっても積もらないのですが、2007/5/20に20cmを越える積雪がありました。
ニュースで30数年ぶりの大雪と報道していました。
3月、4月に北海道をオートバイで走るのは相当の覚悟が必要です。
凍結する路面、横なぐりの雪、氷点下10℃以下の気温等々。
関東地方や関西地方の真冬よりも厳しい環境でのツーリングとなります。
この季節はツーリングに適していませんが、敢えて走るのなら、冬の南東北地方を走るくらいの装備と覚悟が必要でしょう。
しかし、オートバイで旅が出来る季節としては最も過酷で北海道らしい自然を体験できるのもこの季節です。全道の道路の路面が完全に凍結してしまう12月から2月にかけてはオートバイでの旅は出来ませんが、海岸沿いだけとはいえ、主要な国道と道道を走ることは出来ます。
何度か北海道ツーリングをこなしたライダーの次の目標として貰いたい季節のツーリングです。
H.N.うーたん(Yuichi Mizunuma)
当サイトの執筆・撮影とシステムの製作等全てを行っています。林道への案内板やクライミングトークのWebMasterでもあります。使用バイクのジェベルXCは1997年型、2002年型と乗り継ぎ、三台目の2004年型のジェベルXCを売却して、現在はバイクツーリングには行っていません。、これまでのツーリングの総走行距離は約21万kmです。
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2013年まで、春夏秋冬、北海道から九州沖縄まで、ツーリング・登山・サイクリング・パドリング(カヤック)をしています。年間のテント泊数は40泊から60泊程度、日帰りを含めると年間80日くらいはアウトドアにいました。
現在は東京都八王子市高尾に在住しています。オートバイから少し離れていて、主に登山とサイクリングを趣味にしています。
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