ボルトをはずします
既にフォークオイルの交換は取り上げているのですが、フロント周りのオーバーホールと一緒に行っているので、今回はフロントフォークオイルの交換だけを行う作業を取り上げました。
まずはバイクのフロントをジャッキやスタンドなどで浮かせます。
次いでボルトをはずします。
このとき、ボルトはX字の順番で弛めてください。右回りや左回りで弛めることの無いようにしてください。
アクスルシャフトを弛めます。ここでは車載工具を利用しています。アクスルシャフトはフロントが19mm、リアが24mmと大きいので、ボックスレンチやメガネレンチを持っていない方も多いと思います。そうした際には、車載レンチを使うのが確実です。
以下は今後共通のことですが、使用するレンチはボルトをなめないようにボックスレンかメガネレンチを使用してください。
タイヤをはずします。ブレーキパッドとディスクが隙間が無くてはずしにくいかもしれませんが、傷を付けないように慎重に作業をしてください。
写真のように、タイヤが落下したりして不安定にならないように足を下にして支えると作業がやりやすいです。
ブレーキキャリパーをはずします。
かなり堅くしまっているはずなので、力を入れすぎてバランスを崩しバイクを転倒させないように注意してください。
フォークに付属しているメーターケーブルなどの固定金具をはずします。意外に忘れやすいので、注意してください。
フォークを車体と固定している金具を弛めます。
写真は大型のヘッドライトをつけているジェベル独特のヘッドライトを固定する金具です。
フォークを車体と固定している金具を弛めます。
フォークが動けば良いので、あまり弛めすぎないでください。
ジェベルXCは左側にブレーキホースが通っているので、フォークを固定しているネジの周りに空間がわずかしかありません。このためボックスレンチは使えないので、メガネレンチを使用します。
各ボルトが全て弛め終えたら自然とフロントフォークは落ちてきますので、これを途中までさげたら仮固定します。
フロントフォークの上にあるネジを弛めます。ジェベルXCは24mmとやや大きいです。ここもボックスレンチを使用しています。
仮固定が緩いとうまくゆるみませんので、そのときは少しだけ仮固定のボルトを締めてください。
フロントフォークをはずしたら蓋をはずします。
写真のように合わせネジになっています。
写真のように2つのスパナを用意して、合わせボルトをはずします。ボルトをなめないように注意してください。
フォークの蓋をはずしたところです。
もう一つのボルトははずす必要はありませんので、そのまま固定しておいてください。
バネを支えている天板ははずしてください。はずさないとフォークオイルが旨く抜けません。
フロントフォークを逆さにしてフォークオイルを抜きます。30分ほど放っておくと殆ど抜けます。30分たってフォークオイルを入れる前に、フォークを逆さにしてポンピングをすると、底に残っていたフォークオイルが若干出てきます。これでフォークオイルを抜く作業は終了です。
30分の空き時間を休憩に当てても良いのですが、わたしはグリースアップに使いました。
フォークオイルを入れます。整備マニュアルに油面の高さが書かれているので、それに合わせた量を入れますが、最初は大まかに入れてかまいません。少し足りないくらいに入れて、後は微調整をします。
針金をL字型に曲げて作った自作の油面測定器です。
非常に簡素なものですが、ほぼ正確に油面を測定できます。
フォークの中にバネを入れ、天板で固定します。
初めて作業をする方にとっては、これが一番難しい作業となるはずです。
フロントフォークの上の蓋を取り付けます。弛めた時と同様に2つのスパナを使用して固定してください。
蓋を仮留めします。フォークオイルが漏れない程度にまで締めてください。
はずした時と同じ要領で、フロントフォークを仮留めして蓋をきつく閉めます。
フロントフォークからはずした固定金具を取り付けます。
ブレーキキャリパーを仮留めします。
タイヤとホイールをフロントフォークに固定します。
はずした時と同様に、写真のようにタイヤの下に足を入れて高さを調整すると作業がやりやすいです。
アクスルシャフトなど固定ボルトを全て締めます。閉め忘れに注意してください。
絞め終えたらジャッキ、スタンドをはずします。
ジャッキ、スタンドをはずしてタイヤが地面に設置したので、バイクが安定しています。力をかけてボルトを締めることが出来るのでブレーキキャリパーを固定します。
重要な部品なので、ボルトを締めるトルクには注意してください。強すぎず弱すぎずです。固着してはずれなくなる場合があるので、防止策にモリブデングリースを塗布すると良いです。
ベアリングやアクスルシャフトに塗布したグリースがはみ出しますので、ふき取ります。これを忘れるとダートを走った時にグリースに埃や砂利が付着してトラブルの元になるので、忘れずに行ってください。
全ての作業を終えたら、フロントブレーキのレバーを数回握ってください。タイヤの脱着の際にブレーキパッドとディスクの間に隙間が空いているので、これを解消します。
ついで、試運転を必ず実行してください。ボルトの閉め忘れや異音など、注意しながら近所を軽く走ってみてください。
以上がなければ作業は終わりです。
お疲れさまでした。
H.N.うーたん(Yuichi Mizunuma)
当サイトの執筆・撮影とシステムの製作等全てを行っています。林道への案内板やクライミングトークのWebMasterでもあります。使用バイクのジェベルXCは1997年型、2002年型と乗り継ぎ、三台目の2004年型のジェベルXCを売却して、現在はバイクツーリングには行っていません。、これまでのツーリングの総走行距離は約21万kmです。
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2013年まで、春夏秋冬、北海道から九州沖縄まで、ツーリング・登山・サイクリング・パドリング(カヤック)をしています。年間のテント泊数は40泊から60泊程度、日帰りを含めると年間80日くらいはアウトドアにいました。
現在は東京都八王子市高尾に在住しています。オートバイから少し離れていて、主に登山とサイクリングを趣味にしています。
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